シュ・ミゼラブル

趣味多すぎてパンク。雑な感想、メモ

東宝『エリザベート』2019始まった

※ネタバレあり

脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲 シルヴェスター・リーヴァイ

演出・訳詞 小池修一郎

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観劇日時
2019年6月8日(土)17:00~
@帝国劇場

キャスト

花總まり/古川雄大

平方元基木村達成香寿たつき

山崎育三郎

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いよいよ始まった。


自己の解放と葛藤、生きることへの執着、死の誘惑、未来への憂い、愛を伝える難しさ、歴史の重さ………
さまざまなテーマを含ませてドラマチックな楽曲とともに繰り広げられるミュージカルが、『エリザベート』だ。

 

今回一発目のエリザベートを浴びたわたし、
「終わるな~~!!」(初日ですけど?)

 

わたしはクンツェ&リーヴァイの作品の奥深さ、
特にクンツェが描く人間の葛藤を、リーヴァイのクラシカルだけどロックが入ったメロディで紡いでいくのが好きだ。

 

エリザベートは先にあげたように色々なテーマがあるので、何度観ても色んな感想が湧いてくる気がする。
真面目に記そうと思うと、
「自己を解放するために生きることに執着したシシィと、自己を解放するために死を選んだルドルフの対比」とか、「変わることを求めたシシィと変わらないことを求めたハプスブルグ」とか、
ひとつレポート書いてゼミで発表できそうな量になりそうなのでひとまず簡単な感想だけ記したい。
思うことはたくさんある。ここに実際たどり着くまで何回も書いて消して書いて消して………していて、きりがない。

 

 

極端

とにかくこの作品の特徴は、出てくるキャラクターの描きかたが極端なところだと思う。
シシィは魂の自由を求め異常なまでに追求するし、
トート閣下は「生きる」シシィを「死」に誘惑することに執着するし、
フランツヨーゼフはとにかく母親の言いなりになり、
義母のゾフィーはとにかくしきたりにこだわり、
使用人たちの動きも機敏だし(これはクンツェ作品の特徴なのかもしれないが)、
実際観てみないと文字では表現しづらいが、どこか極端で不自然な気がしてしまう。
その理由はこの筋がルキーニの語りだからなんじゃないかと思っている。
「ルキーニの妄想なので、史実とは違うところもありますよ」っていうこともできるので、ちょっとずるいところもある…

 

画がキレイ

ルキーニの妄想語り(語弊)というのもあってか、画がとにかくキレイ………
円盤でも十分キレイだが、実際の舞台を観るとさらにキレイ。
舞台装飾というわけではなくて(むしろ暗くて地味)、例えばシシィの婚礼のシーンでトートダンサーたちに支えられて宙に舞っているようなシーンとか、夜のボートとか、ルドルフが(これから台頭してくる。当時はまだだったが)ナチスの影に苦しむシーンとか。
目にスクショ機能があったら間違いなく容量オーバーするくらい。人間の動きが人形みたいに不自然なところがあるからというのもあるのかな。

 

古川さんのトート

(まるでバーチャル俳優こと)古川さんのトート閣下は、黄泉の帝王というか美の帝王て感じだった。
シシィが皇后エリザベートとして美を追究するのをトート閣下が導いてる説(出典:自分)。
キメポーズがひたすら多いトート閣下なので、いちいち美しく決まっていて脳内スクショしまくった。
最近までプロ ルドルフをなさっていたからか、対ルドルフのシーンが対シシィのシーンより深みがあって良いと思った。
2016年の城田トート閣下はちびルドルフのことを餌食っぽく「美味しそう…」と見てる感じがあったが(不気味で良い)、今回の古川閣下は優しい顔でよく話を聞いている印象だった。「美味しそう…」というよりは「こいつ、ポテンシャルある…」て感じか?
ルドルフのラストシーンは、ルドルフが死を選ぶというよりは死(トート)がルドルフを導いてるような感じ。
対シシィは結構シシィにしてやられて悔しそうな表情が多いが対ルドルフでは完全に強い。
あと、笑い声が響き渡るシーンでは「腹筋割れるくらい大爆笑」してた。
これから変えてくるところがあるのか、今のキャラクターを極めてくるのか、とても楽しみ。

 

花總さんのシシィ

花總さんは相変わらず感情の込めかたが素敵です。
純粋な少女としての姿、美を手にして自信がみなぎった姿、怒りを露にした姿、憔悴した姿、どれも生きてる。
美を手にして自信がみなぎった姿の1幕ラストは何回観ても美しいけど、席が舞台から離れていても瞳の輝きが見えるくらい。
『私が踊る時』のトートへの「わたしは言いなりにならないわよ」っていう視線が好き。
大河ドラマや精霊の守人の花總さんもすてきだったので、もっとドラマでも見たいな~と密かに思っている。

 

平方さんのフランツヨーゼフ

フランツヨーゼフの平方さんも素敵だった。
お声がきれいだし、「本当にエリザベートを愛しているんだよ」っていう一方通行感が出ていた。
これはわたしの勝手なイメージだが、フランツヨーゼフ1世は「残念な夫」として描かれがちなルイ16世とは決して違うと思っている(以前Twitterで混同?しているような人がいたので)。
昨年ウィーン滞在時に所々でフランツヨーゼフの名前や絵、胸像等を見かけ、今のウィーン市内の姿を作った国王として親しまれているような印象を受けた。
能力の有無はさておき、生真面目で仕事熱心な一方で人間的に不器用な人だった、というイメージ。宮殿内の部屋にたくさんの家族の肖像画が飾られている光景を見て、ひとり切ない気持ちになったのを覚えている。
平方さんは、そういう「振り返ってほしい」と真面目に(だけど一方的に)伝え続けるフランツヨーゼフのイメージに合っていて素敵だなあと思った。

 

達成のルドルフ

(木村)達成のルドルフは、一生懸命に何かを変えようと思って動き回っているけどどうにもこうにもこの世がわからなくて、周りに振り回されて騙されてしまう…という感じのルドルフだなーという印象を受けた。
インテリ系のルドルフになるかな?っていう勝手な想像とは違ったが、若々しくて新鮮な姿でよかった。
先にも述べたけど、ルドルフ自らが死を選んだというよりかは死(トート)からのアプローチが大きい感じだったし、まだ死を怖れているけど逃れようがなく死へ…という感じ。
達成はセリフがはっきり聞き取りやすいし、また変化していくのかなと思うとこれからも楽しみ。

 

 

まだまだあるけど書ききれないので、今回はとりあえずこれだけにして、また次に持ち越そうと思う。

 

3ヶ月のロングラン公演、ハード過ぎて演者の皆様のお体が真っ先に心配になるが、無事何事もなく完走をお祈りしている次第。


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