シュ・ミゼラブル

趣味多すぎてパンク。雑な感想、メモ

『キンキーブーツ』を観たら強くなれる気がした

※ネタバレあり
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン
音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
日本版演出協力/上演台本:岸谷五朗
訳詞:森 雪之丞
[出演]
小池徹平三浦春馬
ソニン玉置成実/勝矢/ひのあらた
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観劇日時
2019年5月25日(土)18:00~
@オリックス劇場
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ロ、ローラ様~~~~~!!
ローラ様がかっこよすぎて、弟子にしてほしい。
エンジェルズになりたい。

ローラ様の哲学は大胆に聞こえるけど本当はシンプル。時にトンデモ理論も混じっているがそれも含めてすき。楽しいミュージカルだった。

 

 

楽曲がいい

キンキーブーツ』を観に行こうと思ったきっかけは、ラジオで流れていた劇中楽曲がとにかく楽しかったから。
あとで考えるとそれは当たり前で、だって楽曲担当…
シンディ・ローパーやもん。
楽しみにしていたわりには公式サイト等で予習もせず(楽しみにしていたから、でもある)丸腰で挑み、愚かなことに「ふぅ~ん、曲めっちゃいいじゃん(CV越前リョーマ)」なんて一幕で感じていた。上から目線にもほどがある。
幕間にパンフレットを開いたわたしは立川志の輔になった。ガッテン!
シンディ・ローパーやん。

三浦春馬さんやばい

というか、わたしが観てきたのは本当に三浦春馬さんだったのだろうか。
初めて「俳優・三浦春馬さんやばい」って思ったのは結構最近で、映画『銀魂2』の伊東鴨太郎役だ。
前回の『キンキーブーツ』は拝見していないので、『銀魂2』で伊東に扮する三浦春馬さんのオーラと、内から放たれる「伊東の人間感」にビビり倒してしまった。

 

わたしは勝手に独断と偏見で役者さんのジャンル分けをしており、その中に「単に『イケメン俳優』だと思ってたら演技がどえらいことになってた枠」というのがある。
誠に失礼な話だが、『イケメン俳優』扱いの『イケメン俳優』、「たしかにかっこいいね~」ってなるだけの俳優さんだと認識していた(わたしがそう勘違いしていた)人が、とある作品で憑依的な演技を爆発させており、わたしが勝手に感銘を受けるという事象がある。
そういう俳優さんを「単に『イケメン俳優』だと思ってたら演技がどえらいことになってた枠」に入れている。
これまではそこに岡田将生さんとタケル(佐藤健さん)が在籍していたのだが、銀魂を見てから三浦春馬さんが新規加入した。
それは正解だったと、今回も実感した。

色気の魔術師

後輩が観る前に現在大ヒット上映中(たぶん)の映画『コンフィデンスマンJP』を観て、それに出演していた春馬も色気が凄かったらしい。
あえてこの言葉を使うが、「男性的な」色気から「女性的な」色気までどんな色気も表現して放てるミステリアス。色気の魔術師かな。
エンタの神様だったら、「どんな色気も自由自在!色気の魔術師~!三浦春馬~!(デーン!)」って紹介されると思う。
特に『What a Woman Wants』のときの春馬ローラ様はあの時間の世界のなかで一番セクシービューティだった。

エンジェルズの皆さん

エンジェルズの皆さん、めちゃくちゃハッピーセクシービューティ、拍手!
プロポーションもすごかったし露出も「美」だったのだけど、なんといっても身体能力と立ち振舞いが“極み”。
ローラ様もだが、常にピンヒールでキレのあるダンス、まっすぐ高く上がる脚(そして美脚)、どの角度から見てもキレイな姿勢、セクシービューティ~!
堂々とした立ち振舞いがかっこよくて、自信がある人、あるように見える人はどんな姿でも、どんな性別であってもかっこよくて美しいんだなって思った。
素晴らしかった。

 

他にも素敵なキャスト

小池徹平さんも、ちょっと短気なところもあるけど必死に頑張る若き経営者を熱演していてよかったし、
玉置成実さんもミニスカートとワンレンロングが似合う、ちょっとワガママなキャリアウーマンがかわいくてかっこよかった。セリフも聞きやすくてスキだ~!ってなった。
ソニンさんは最近(役的に)「理不尽な世の中」に怒っていることが多い印象だったが(※MA、1789、M!ご参照)、今回はコミカル&キュートだったので同行人と「明るくて元気なソニンさんが見れて嬉しいね」って話をした。
個人的にセルフ送風で髪を靡かせるところと、脇汗を乾かすところが面白かった。幅広ですてき。

ローラ様のかっこいいところ

冒頭でも述べたが、ローラ様というキャラクターがそもそもかっこいい。
でもそれは、単にドラァグクイーンだから、というわけではないし、ましてや「女装」をするという「みんなと違ったこと」をしているからなんて理由はもってのほかだ。
何かで、「ママをやってるけど、ゲイだからって『女性の心も男性の心もわかる、なんでもわかる』と思われたら困る」っていう主旨の発言を以前見たことがある。テレビだったかツイッターだったか忘れたし、そんな主旨だった気がするっていうレベルだが。
ローラ様も「女性を尊敬しているの」と言ってはいたが、だからといって「女性の心も」「男性の心も」理解できるスーパーマンだからすごい、というのは違う。

ありのままを受け入れること

ローラ様は「○○とはこういうものだからこうであれ」という概念の押し付けを軽蔑しているし、自分の個性を生かして生きようと頑張っているし、そしてまた、他人の個性も受け入れるようにしている。
それをローラ様の哲学でみんなにも教えようとしている、素晴らしいこと。

これはわたしの意見で憶測だが、「○○はこうであれ」と思っているひとはそれはその人の考えだから自由だ。こういう人は苦手だ、っていうのもあると思うし、わたしも苦手な種類の人類が結構いる。それは苦手なままでも別にいいと思う。仕方ないし。
でも例えば「○○はこうであれ、だからあなたもこうであれ!こうでないのは変だ」とか、「こうでないのは普通じゃない」とか、自分の考え方を他人に押し付けるのは違うかなと思う。

変われたひと、視野が広がったひと

だからローラ様はドンみたいな従来まで「男らしい」とされてた人を苦手に思い軽蔑していたけど、人間性を否定することなく一部を受け入れ、その代わりに「他人の個性を受け入れる」ということを教えたし、ドンもそれができるようになった。

チャーリーは当初ローラ様を受け入れてシューズ作りのビジネスに誘ったのは、『ビジネスになる』という直感も大きかったと思う。それも手伝って偏見なしにデザインの才能を見出だしたけど、余裕がなくなってきたらそれができなくなった。
潜在的な感情が出て来てしまった。
めちゃめちゃひどいことを工場のみんなやローラ様に言って決裂してしまうけど、みんなの優しさに触れて、受け入れてもらえるありがたさも知り、最後は真に他人の個性を受け入れることができた。

自分の視野だけで生きるより、視野を広げると世界も広がるよ、っていうメッセージもある。
いいミュージカルだな。

おわり

いつも「ミュージカルとか舞台を見てみるなら何がおすすめなの」って聞かれても答えられなかったが、次この質問を受けたら絶対に『キンキーブーツ』っていう。
まだまだ見たことがある作品は少ない中で、わたしが好きなクンツェ&リーヴァイ作品はクセがあるし(というか暗いし)、革命ものは歴史に苦手意識があると十分に楽しめないのでは?っていう変な気を使ってしまう。
『キンキーブーツ』は歴史の話ではないし、明るくてパワフルで楽しいし、曲もいいし、いい話だし、おすすめできると思う。
見たことない人は次の再々演、是非見てみてください。

 

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