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新演出版ミュージカル『マリー・アントワネット(MA)』感想メモ②キャラクター編

新演出版ミュージカル『マリー・アントワネット(MA)』 感想メモ キャラクター編

※ネタバレあり

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脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲 シルヴェスター・リーヴァイ
演出 ロバート・ヨハンソン
遠藤周作原作「王妃マリー・アントワネット」より
翻訳・訳詞 竜 真知子

出演
花總まり 笹本玲奈(Wキャスト)
ソニン 昆 夏美(Wキャスト)
田代万里生※ 古川雄大(Wキャスト)
佐藤隆紀 原田優一(Wキャスト)

駒田 一/彩吹真央/坂元健児/彩乃かなみ
吉原光夫 ほか
※万里生さんは博多座、帝国劇場のみ

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観劇日時
2019年1月6日(土)13:00~(花總・昆・原田)
2019年1月13日(土)13:00~(笹本・昆・原田)
@梅田芸術劇場 メインホール

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感想メモ①はこちら

tomoshka.hateblo.jp

 

Wキャストに関しては、色々手違いでマリー以外固定でしか観れなかったのは比較という点で少し残念。特にマルグリット、昆マルグリットは勿論素晴らしかったが、ソニンマルグリットはまた違ったアプローチだと思うので比較のために是非とも拝見したかったな。万里生さんは(たぶんラブネバーダイがあるから)そもそも大阪公演にはいらっしゃらず…。

 

マリーアントワネットについて

この作品の王妃はいきなり改心したり、反省しはじめたり、市民のことを理解しはじめたりしない。最期までプライドを保つ姿が印象的だった。
「私の罪はプライドと無知、そして人の善意を信じすぎたこと」(意訳)

良いか悪いかは別として、ブレない。

確かに世間知らずだったかもしれないが、『知ろうとしなかったこと』が大きいのかもと思う(それをまだ王妃はわかってないのかもしれない)。少女の頃にウィーンからフランスに連れてこられ、その後「プライドを保つこと」を教えられながら閉じ込められた王妃は、世間を知る余地がなかったと思うので、これもまた悲劇。

ただ知るチャンスはあった。アメリカ独立戦争に参加してきたことで、王政の危機を察したフェルセンが王妃にも幾度となく注意喚起してくれたのに、現実と向き合う勇気がなかった王妃。最後の「知るチャンス」だったのに…。

花總さん

何度もマリーアントワネットを演じてきた方なので、登場時から後光が差す程の気品が溢れんばかりに放たれていました。輝いている。あの方の笑顔を見たらひれ伏したくなりますね。

後半特に「さすがプロマリーアントワネットだな」と思ったのが、幽閉されて地味な衣装になっても気品が消えないところ。そして最も脳裏に焼き付いているのが革命裁判に呼ばれている時の姿。かつての姿とは全く違った痛々しい姿なのに、目を潤ませまっすぐ前を見ている花マリー様は「マ、マリー様のプライドの擬人化!?!?」と思ってしまうほど凛としていたんですね…涙。拍手。

笹本さん

初演時はマルグリット役をしていらしたんですね。なんかそれだけでもグッときますね~。

元々少し太めのお声なのか、少しお歌に癖がある感じだったのですが、演技で感動させて頂いたので問題なしです。

まずビジュアルが最強すぎて「マリー!」って言いそうになった。ご本人が演じている時期の王妃と近い年齢だと思うんで、はしゃぎ方とかとあんな感じだったのかも!?

特によかったのは子供達と歌を歌う場面。これから起こることなんて知らず、幸せそうに微笑む姿はみんなを幸福にする…っていうか、しました!全員幸福にしたと思います。

 

どちらのマリーもそれぞれ特徴があって、素敵でした。

マルグリットについて

マルグリットちゃんは皆のリーダー的役割をしたり、皆のためにパンを盗んできたりすることから、おそらく彼女の根の性格は優しく、正義感が強い。

彼女の当初の原動力は貴族や自らの貧しさに対する「憎しみ」だけだったかもしれないが、途中からは正義感が加わって「現状を変えたい」という思いで動いてたように見えた。

だから「革命の名の元に暴走する人たち」と「変化に億劫な女たち」に挟まれて葛藤したと思っている。勝手に。

最後王妃を庇ったようになってしまったのは、同情ではなく正義感だったのかもと思っている。これも勝手に。

昆さん

細くて小柄なお体のどこからあの歌声は出ているのでしょうか??力強くて芯のある歌声と姿、かっこよかった。

強く歌うけど怒りに身を任せるというより訴えかけているような。

夏の夜の舞踏会で企むよ!っていうシーンで、歌い上げた後悪そうな顔で「ニヤッ」って笑うんですけど、そこがめっちゃ好き

フェルセン伯爵

フェルセン伯爵ってなんかずるいポジションなのであんまり好きじゃなかったんですが、今回変わりました。「爽やかイケメンで王妃の愛人、命をかけて助けようと頑張る!」ってところが王子様すぎませんか?おいしいとこもってくやつってイメージだったんですが、MAのフェルセンはかなり冷静で、ちょくちょく現実を突きつけてくるのがよかった。

しかもフェルセンの曲は結構良い曲が多いなと思った。

『遠い稲妻』は勿論だし冒頭と〆の曲も良。

『私たちは泣かない』も素晴らしかった…。一回目はフェルセンから別れを惜しむ王妃に対して「泣かないで~」って歌うのに、リプライズでは幽閉された王妃からフェルセンに歌うところ!クゥ~ってきた(語彙力と表現力の少なさを惜しむ絵文字)。

古川さん

見た目だけではなく考え方もスマートな冷静フェルセンですごく良かった。稽古映像で観た万里生フェルセンさんは熱き情熱って感じだったが(舞台でも見たかった)、古川フェルセンは物事を常に客観的に見てそう。理系そう。理系フェルセン(?)。見た目も美しすぎてもはやバーチャルなので、AIだったかもしれん。でも淡々としてるのではなく優しさに溢れている、それ故胃に穴が開いてそう。そんなフェルセン。

冒頭に仮面舞踏会での王妃との出会いを語るシーンで初め「ニヤ……」ってするのに王妃とわかって「ハッ!!!」ってなるとこ好き。

オルレアン公

野望を叶えるため手段は選ばないオルレアン公。利用はするもののマルグリットに優しいところがちょっと好きだった。

吉原さん

かっこよすぎでは…笑?かっこよすぎて思わず笑ってしまうんですが。あんな歌声で野望を宣言されたらまあ扇動されますよね。

吉原さんにはモーツァルト!』の大司教を是非ともやってほしいんですが。ゆ~様の大司教も、「上品な雰囲気なのにありとあらゆる手で束縛してくる」っていう妖艶さが良いのだが、吉原さんが大司教になったらウィーン版の圧倒的歌唱力で攻撃してくるセクシー大司教みたいになれると思う。是非とも次回Wキャストでもいいので。よろしくお願いいたします!

ルイ16世

たぶん王政の限界を予想していたのではと思わせてくる切なさ。ギロチン作りも、自分の将来を予感して作らせてたんじゃないかと思ってしまう。『もしも鍛冶屋なら』とか本当に切ない。

「国民に刃を向けることはできない」っていうシーンがかなり印象に残っていて、そこが王妃とは違うところかなと思う。何も殺さなくても、話し合えばこの王なら平和に王政を閉めれたのではとか考えるけどそんな簡単な話ではないか。

原田さん

なんかお顔が女の子みたいにかわいいのですが。かわいいのですよね…。

そんなかわいいお顔だけど、物憂げな気配を背負っていて切ないの極み。子供達におもちゃをつくってあげたり、王妃にも優しい言葉をかけたり、革命を起こす市民に従ったり…。単なる気弱なのではなく心が優しい王って感じで素敵でした。

ランバル公爵夫人

彼女が塔から出ていった本当の意図が気になって吐きそうです。だれか想像でいいんで「こういう風に考えたよ」っていうのがあったら教えてほしいです。そして彼女の最期を想像しても吐きそうです。九月虐殺ダメゼッタイ。

彩乃さん

王妃が信頼を寄せる女性だというのがひしひし伝わってくる温もり。特にマリーアントワネットワンダーランド(例の庭)の時に子供達に微笑む姿…あれを観てわたしは「温もりだ…彼女の周りに暖かなオレンジ色が見える…!」と思いましたね。素敵です。

レオナール&ローズ・ベルタン

及び駒田さん&彩吹さん

この二人は大好きですね。キャラもいいし衣装も好き。カラフルを身につけるレオナールと、アニマル柄を身につけるローズベルタン。

特に店にマルグリットが訪れたときの二人の反応が好きすぎ。あとは逃亡するときの「ドイツへ~♪」とか。二人が出てきたら元気出る。テナ夫妻とかのポジションだと思うが、特にめちゃくちゃ悪いことしてるって感じでもないので快く楽しく見れる。

ジャックエベール

及びサカケンさん

ジャックエベールこの野郎………ジャックエベールさんに対する怒りは前回書いた革命に対してと被るんで割愛しますね。まっすぐなマルグリットちゃんを裏切りやがってこの野郎…。

サカケンさんは1789でも拝見したが、その時のラマールちゃんとは違ったシビアな存在で、ジャックエベールには腹が立つがサカケンさんはかっこよかったです。

マルグリットに「わたしは誰のものでもないわ」って言われるシーンが印象的なのですが、フェルセン伯爵も王妃に「私はものではありません」っていうシーンがあるんですよね。これはまた何かメッセージだぞ!と思うのですが、また書き始めたら長くなりそうなんで、またにします。

そのほか

宝石商がかわいそうすぎたんだが。あの悲壮感に襲われた表情で首飾りを広げる姿、かわいそう過ぎてなんかもう笑ってしまった。司教の小者感もよかった。ちょっと彼もかわいそうだったが。

 

アンサンブルの皆さんも素晴らしかった。リーヴァイの音楽はアンサンブルがパワフルじゃないと物足りなくなっちゃいそうなので、不可欠ですよね。

群舞とか合唱とかめっちゃ好きなので、アンサンブルの方々の力強い歌声聞くと本当にワクワクする。舞台も壮大になるし。ブラボーです。

 

書きながらまた色々浮かんできてしまう。それほどまでに奥深い舞台だったんだなと思う。最後の全員で歌うのはレミゼラブルっぽいけど、訴えかける感じですごく好きだったし。テーマがテーマですし。お寿司。

 

勉強不足というか、こういう歴史モノや社会的なモノが好きとは言え知識が乏しいので薄っぺらい感想だが、しばらくしてこれを見返した時に「そうじゃないだろう」とか「これはこういうことでは?」っていう自分に期待してる。