シュ・ミゼラブル

趣味多すぎてパンク。雑な感想、メモ

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』感想

※ネタバレあり

原案・原作:ウィリアム・シェイクスピア

作:ジェラール・プレスギュルヴィック

潤色・演出:小池修一郎

[出演]★は見に行った回のキャスト

ロミオ:古川雄大★/大野拓朗(Wキャスト)

ジュリエット:葵わかな★/木下晴香/生田絵梨花(トリプルキャスト)

ベンヴォーリオ:三浦涼介木村達成★(Wキャスト)

マキューシオ:平間壮一★/黒羽麻璃央(Wキャスト)

ティボルト:渡辺大輔/廣瀬友祐★(Wキャスト)

死:大貫勇輔★/宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー)(Wキャスト)

春野寿美礼シルビア・グラブ岸祐二、宮川浩、秋園美緒、姜暢雄石井一孝岡幸二郎

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観劇日時

2019年4月13日(土)12:30~

@梅田芸術劇場 メインホール

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POPでROCK!!・・・確かにPOPだった。ROCKかはわからないが。

正直SNSで色々と言われているのを見てしまっていたが、わたしの観劇モットーとして「自分の目で見てどうか判断する」「面白いとか好きかとかは自分で決める」というモットーがあるので、まあ普通に気にせずに観た。

え?結構面白いし楽しいやん!というのが率直な感想。

確かにスマホとかラインとか既読とか出てきて軽さがあるけど、「シェイクスピアロミオとジュリエットをそのままの世界観でやります」とは別に言ってないし、POPでROCKなロミジュリなのでこれはこれでありかな~とPOPでROCKな人間である私は思ったのだった(説得力なし)。

ただ原作(仏版)を観たことがないので、思い入れがあったら苦しいのかな。知らないけど(説得力なし)。

そんな説得力がないわたしが、説得力がない感想を書きます。

HiGH&LOWの世界

「♪ここはヴェローナ~」って言ってたけど、わたしにはHiGH&LOWの世界に見えたので、ここはSWORD地区。

争う二つの家に巻き込まれた若者たち。彼らは喧嘩が大好き!といった感じで威張りあっているが、結局は大人たちのつまらない虚栄心に巻き込まれてるという悲壮感がある。

ていうかそもそも『家』ってなんだよって思ってしまうゆとり平成人。争いって良くない。LOVE&PEACE☮

主役は勿論ロミオとジュリエットだが、ベンヴォーリオとかマキューシオとか、ティボルトとかママやパパたちも一人一人各々の葛藤を抱えてて、『全員主役』。

あれ、どっかで聞いたこの言葉…HiGH&LOWだ!

 

心優しいおぼっちゃんなロミオ

見た回のロミオは「ヴァーチャルリアリティーVR)俳優」こと古川雄大さん回だったので、以降のロミオに関しては「美の化身俳優」こと古川雄大さんのロミオであると定義します。(追記:後述の辛口先輩から大野ロミオもよかったよー!って聞きました。見たかったな。)

ヴェローナがSWORD地区だったので、ロミオのキャラも「オラオラウェイウェイ系だけどピュアな恋、しちゃった…?!」って感じかと勝手に想像していたが、違った。

「僕じゃなくて、僕・た・ちがこれからの世界の王だよ!」とか言って皆と踊っちゃって、心優しくて偏見を持たず、仲間想いの愛され系おぼっちゃんだった。

ヤンキーたちから「こいつは守ってやらないと!」ってなるやつ。わたしも「客席から守ってあげなくちゃ!」って思ったもん(?)

倒れたふりをしたベンヴォーリオに驚いて「AEDAED!」って慌てふためくロミオもかわいかった。

古川雄大さんは、「喜びを抑えきれない!」っていうの演技と、何かを恐れているときの演技がわたしのハートをキャッチプリキュアしてくるから好き。

ジュリエットに出会って驚きと喜びが混じった笑顔、愛しいね。

 

古川雄大さん、ロミジュリでも影を恐れて死と踊る

「葛藤似合いすぎ俳優」こと古川雄大さん、ロミジュリでも影を逃れてたし、闇を広げられて死と踊らされてた。

全体的に現代風で親しみやすい舞台なのに、ロミオが死の影を感じて葛藤しているシーンは急に重くなる。

楽しく皆と盛り上がっていたのに、突然不安と不気味さに襲われるロミオ。

葛藤して苦しむ古川雄大さんが個人的にかなり好きなのでこの場面は大好きだが、統一感はないかもしれない。

けどこの設定が時折の〆効果を持っていたかも。

「死」の表すもの

大貫さんの演じる「死」が、いつも影から見つめているのは不気味さがありつつどこか美しく、勝手にゾクゾクしていた。

この「死」は、若者の抱える不安を描いているのかなと思う。楽しかったりしていても、唐突に襲ってくる不安。具体的に何に不安を感じているのかはわからなくて、単なる将来への不安というのでもなく。急に泣きたくなったりすることもある。その状況に似ていると思った。

 

ちなみに、自分はできないものの、他人がダンスしているのを見るのが好きなので、キレキレダンスを披露する古川雄大さんのどや顔も見られて嬉しかったです。

 

ジュリエット

葵わかなちゃんさんのことはマイネオCMとわろてんかのイメージしかなかったので、「きっとかわいいんだろうな~」くらいしか思ってなかった、当初。

しかし実際に拝見して、「ステキじゃん!?」ってなった。

可憐で純粋だけど表情豊かで意志を感じるジュリエット。ただの世間知らずのお嬢さんジュリエットでもなく、後半にかけては堅い意志を感じるような。

人の一生を演じ抜く朝ドラは鍛えられるよな。

お歌も伸びやかで心地よかった。

わたしはただの素人だが、なんだか彼女には舞台が似合う気がしたので継続的に舞台(ミュージカルに限らず)でもお芝居して輝いてほしいと思った。


木下晴香ちゃんさんのジュリエットも是非観たかった。これは結構心残りになっている。日程がどうしても合わず拝見できなかった…。

そのおかげ?で葵わかなちゃんさんもステキだって気付けたのはよかったかな。

 

ベンヴォーリオ

ベンヴォーリオ好演の木村達成さん、舞台映えするルックスだし、お歌も素敵だし、コミカルな演技もできるし、声も聞き取りやすいし、my最優秀助演男優賞

ロミオママ(モンタギュー夫人)のマネしてコミカルな顔を見せたり、ロミオを心から心配したように狼狽したり。この舞台の世界に引き込んでくれる役割をもつ存在。

ミュージカル好き辛口先輩に、「古川雄大さんみたいにテニミュ出身なんですけど、めちゃめちゃ期待大のキャストがいます!木村達成さんです!まだわたしも達成ベンヴォーリオ観てませんけど、絶対推せます」って大口叩いたんだが、後悔なし。後日辛口先輩も褒めていた。後悔なし。

エリザベートのルドルフ役も楽しみです。


それにしてもベンちゃんは不憫である。マキューシオを亡くしてロミオまで失ってしまった。神父様曰くニートらしいが(美しきニート)、これからどうするんだろう。彼はなんとなくグレずにまじめに生きていけそう。何の話?

 

クラブな舞踏会

仮面舞踏会がクラブなの、いいな。

家でクラブなパーリーがすぐ開催できるってどんなパリピ家やねんとは思うが。

それにしても「この人があなたの結婚相手よ」って感じでジュリエット導いてたけど、つまり仮面で隠していてもほぼ「この人の正体はさっき言ったパリスやで」って言ってるようなもんでは?意味なくないか?ってちょっと思った。

まあいいか。

 

モンタギュー夫人の衣裳が好き

spice.eplus.jp

↑は前回の記事だけどわたしが言いたい衣装とおなじ。

秋園美緒さんが纏ってる衣裳。やわらかくて上品できれい。色合いもカーテンみたいで好き。ついでに秋園さんの髪型も好き。

モンタギュー夫人が出てくる場面は、無意識に双眼鏡越しで夫人見てしまったかも。

こんな服が似合う人になりたい。

基本的にこの舞台の衣裳は個性的でかわいい。R&Jダンサーの衣裳も、両家共にかわいかった。

そういえば客席に全身赤色の方がいらっしたんだが、キャピュレット強火勢だったんだろうか。

 

愛は凶器でありアイデンティティでもある

いくらPOPでロックだと言っても、いくら舞踏会がクラブでも、元の題材にある悲壮感はあって。

ロミオもジュリエットも、愛を受けていなかったわけではないと思う。

ロミオは大切に可愛がられながら育ってきたし、周りからも慕われていた。

ジュリエットは少し複雑な事情があり、実の親から十分な愛を受けたかはわからないけど、少なくとも乳母からは実の娘のように可愛がられて育った。

二人とも物理的には孤独ではなかったはずだが、心のどこかに空白があったのだと思う。

もし古典的な演出なら「昔のロマンスですね」って感じて終わってしまった可能性もあるけど、現代演出だからこそ身近でリアルに感じる部分があった。


さっきも書いた、若者特有の不安に似た空白、二人は互いにそれを埋められる存在だと信じて惹かれ合った結果、周りが見えなくなって悲劇を起こしてしまった。

愛は人の思考を麻痺させる凶器。

ロミオとジュリエットの二人だけではなく、ティボルトも同様に周りを見失ったひとり。現実においても、対人のみならず対モノでも、対架空の世界でも、人を暴走させてしまう力がある愛。

けどそれを封じ込めると、アイデンティティを失うことにもなる。

誰を、何を好きになっても自由なはずなのに、その自由を奪われることは自分を失うことと同様になる。

ジュリエットはパリス伯爵との結婚を強制的に決められ、「ロミオを愛したい」という意思を否定される。『家』も人物を位置づける一種の個性だが、ロミオとジュリエットはその枠にとらわれない、個としての生き方を望んだ。

これも特に今ホットなトピックスだけど、普遍的なテーマだよな、って漠然と感じていた。

現代風だからこそ、わたしはメランコリーさを感じた気がする。

 

ラストの神父がメールで連絡するとこだけ、もうちょっとなかったかと思ったが。せめて電話かな。

 

おわり

簡単な感想になったが、時間を置いたらもっと出てくるかもしれない。

とりあえずわたしは面白かったし、次もし再演があったら観に行くかも。